令和7年12月26日官報(本紙)1618号の解説

年末の公示として、租税条約の対象国追加や、森林経営管理法に関連する不動産登記の特例など、実務に直結する法令改正が含まれています。また、経済産業省からは「令和6年能登半島地震」および「令和7年台風第12号」に関するセーフティネット保証(中小企業信用保険法)の対象地域・期間の指定告示が出されており、被災地支援の継続と新規指定が確認できます。さらに、金融面では日本銀行から基準割引率および基準貸付利率の引き上げ(1.0%へ)が公表されており、経済政策上の重要な転換点が官報にも記録されています。

租税条約等の実施に伴う対象国の追加(トリニダード・トバゴ、セネガル、ルワンダ)

租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律の施行に関する省令の別表が改正され、新たにトリニダード・トバゴ、セネガル、ルワンダの3カ国が対象国として追加されました。

【根拠法令】

官報1ページ、総務省・財務省令第四号

【変更点】

(改正前) (該当なし)

(改正後) 別表に以下を追加: ・第五十三号 セネガル ・第六十六号 トリニダード・トバゴ ・第百五号 ルワンダ ※これに伴い、既存の号数が繰り下げ・繰り上げ等の整理が行われています。

【ポイント】

これにより、日本とこれらの国々との間で実施される租税条約に基づき、所得税や法人税の軽減・免除等の特例措置が適用される手続き上の基盤が整備されました。該当国と取引のある企業や個人は、条約の適用関係を確認する必要があります。

森林経営管理法に基づく筆界特定申請の特例措置

森林経営管理法に基づく筆界特定の申請において、申請情報や添付情報の特例を定める新たな省令が制定されました。これにより、森林経営管理機構などが筆界特定を申請する際の手続きが一部簡素化されます。

【根拠法令】

官報1ページ、法務省令第五十七号

【ポイント】

不動産登記法に基づく筆界特定の申請において、森林経営管理法第38条の規定により森林経営管理機構(または市町村)が申請を行う場合、添付すべき情報(筆界特定情報の特例)や申請書に記載すべき事項について特別な扱いが認められます。具体的には、対象となる土地が「林地台帳」に記載されている情報と整合する場合の取り扱いなどが規定されたものと考えられます。

中小企業信用保険法に基づく災害・地域の指定(能登半島地震・台風12号)

中小企業信用保険法(セーフティネット保証4号)に基づき、以下の災害と地域が指定されました。能登半島地震については期間の更新(再指定)、台風12号については新規の指定となります。

【根拠法令】

官報4ページ、経済産業省告示第百八十三号、第百八十四号

【変更点】

告示第183号(令和6年能登半島地震) 期間:令和6年1月1日から令和8年3月31日まで 地域:石川県 (金沢市、七尾市、小松市、輪島市、珠洲市、加賀市、羽咋市、かほく市、白山市、能美市、河北郡津幡町、河北郡内灘町、羽咋郡志賀町、羽咋郡宝達志水町、鹿島郡中能登町、鳳珠郡穴水町、鳳珠郡能登町)

告示第184号(令和7年台風第12号) 期間:令和7年8月21日から令和8年4月1日まで 地域:鹿児島県南さつま市

【ポイント】

指定された地域の事業者は、災害により売上高が減少している場合などに、一般保証とは別枠での信用保証(セーフティネット保証4号)を利用することが可能です。能登半島地震に関しては令和8年3月末まで期間が確保されており、長期的な復興支援体制が敷かれています。

日本銀行 基準割引率および基準貸付利率の引き上げ(年1.0%)

日本銀行は、基準割引率および基準貸付利率を0.25%引き上げ、年1.0%とすることを公表しました。

【根拠法令】

官報21ページ、日本銀行公告(基準割引率および基準貸付利率変更関係)

【変更点】

(改正前) 年0.75パーセント(推定)

(改正後) 年1.0パーセント (実施日:令和7年12月22日)

【ポイント】

日本銀行法第33条に基づく公定歩合(基準割引率・基準貸付利率)の変更です。市場金利の動向や金融政策決定会合の結果を受けた措置であり、企業向け貸出金利や住宅ローン金利など、市中の金利水準全体に波及する重要な変更です。

GILSP遺伝子組換え微生物のリスト改正

産業上の使用において拡散防止措置のレベルを低く設定できる「GILSP(Good Industrial Large-Scale Practice)」に該当する遺伝子組換え微生物のリスト(経済産業大臣が定めるもの)が一部改正されました。

【根拠法令】

官報1ページ、経済産業省告示第百八十二号

【変更点】

別表第一号(GILSPリスト)の規定に基づき、特定の宿主やベクターの組み合わせ等について記述の削除や変更が行われています。 (詳細な菌株名やベクター名は専門的なため割愛しますが、リストの整理・削除が含まれています)

【ポイント】

バイオテクノロジーを利用する産業界において、安全性が確認された微生物の取り扱い基準に関わる変更です。研究機関や製造業者は、最新のリストに基づき適切な拡散防止措置を講じる必要があります。

政党事務所周辺地域の指定(静穏保持法)

「国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律」に基づき、政党事務所周辺地域として指定する区間が告示されました。

【根拠法令】

官報1ページ、総務省告示第三百九十九号

【変更点】

東京都千代田区隼町における特定の道路区間および交差点等が、政党事務所周辺地域として指定されました。 ・東京都千代田区隼町二番十六号を中心とする地域等

【ポイント】

この指定により、当該地域での拡声機の使用などが制限され、静穏の保持が求められます。右翼団体や抗議活動等の街宣活動に対する規制根拠となるものです。

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