女性活躍のステージが「制度の有無」から「実態の改善(給与・健康)」へとシフトしたことを象徴する内容でした。特に公的機関における給与格差の透明化は、民間への波及も予想される大きな一歩です。また、交付税の算定変更からは、国が地方の「賃上げ」を財政面で強力に支援しようとする姿勢が見て取れます。
女性活躍推進法の改正:男女の給与差異の把握と「女性の健康」対応が義務化へ
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づき、国や地方公共団体(特定事業主)および一般企業(一般事業主)が策定する「行動計画」の基準が大幅に強化されます。特に公的機関では「男女の給与の額の差異」の把握が必須となり、民間企業では「えるぼし認定」の基準に「女性の健康上の特性への配慮」が新たに追加されます。
【根拠法令】
内閣府令第103号(特定事業主行動計画の策定等に係る内閣府令の一部改正)
厚生労働省令第125号(一般事業主行動計画等に関する省令の一部改正)
内閣官房・内閣府・総務省・厚生労働省告示第1号(事業主行動計画策定指針の一部改正)
【変更点】
公的機関(特定事業主)の義務強化
現状の把握項目に「職員の男女の給与の額の差異」を必須として追加。
育児休業取得率だけでなく、「取得期間の分布状況」の把握も義務化。
超過勤務(残業)の把握を、管理的地位にある職員とそれ以外、さらに部署ごとに細分化して行うこととされました。
民間企業(一般事業主)と「えるぼし認定」の刷新
「えるぼし認定(およびプラチナえるぼし)」の基準に、女性特有の健康課題(更年期、月経、不妊治療など)への配慮が追加。
具体的には、半日・時間単位の有給休暇、在宅勤務、短時間勤務などの制度整備や、「女性健康配慮担当者」の選任、労働者への周知・研修が求められます。
情報の公表
インターネット(厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」等)での公表が強く推奨・義務付けられ、求職者が比較しやすい形式での算出方法が指定されました。
【ポイント】
これまでは「女性を何人採用するか」「管理職に何人登用するか」という数に焦点が当たっていましたが、今回の改正で「給与格差の是正」と「長く健康に働き続けられる環境(健康への配慮)」という、より実質的な質的改善が求められるようになります。施行は令和8年4月1日からです。
地方交付税の算定式変更:物価高・経済対策・給与改定を反映
地方自治体の財源となる「地方交付税(普通交付税)」の算定方法が改正されました。新たに「臨時経済対策費」と「給与改定費」という項目が新設され、近年の物価高や公務員の給与引き上げに伴う自治体の負担増を、交付税の額に反映させる仕組みが整えられました。
【根拠法令】
総務省令第113号(普通交付税に関する省令の一部改正)
【変更点】
「臨時経済対策費」の新設
自治体の人口に基づき、各産業の売上高、事業所数、年少・高齢人口比率、障害者手帳交付数などの指標を用いて補正を行う計算式が導入されました。
「給与改定費」の新設
地方公務員の給与改定(賃上げ)に伴う財政需要を算定するため、教職員数、警察職員数、地域手当の級地ごとの人口などを基にした複雑な算定式と補正係数が設定されました。
地方揮発油譲与税の特例
令和7年度に限り、東京都や川崎市など特定の自治体における基準税額の算定方法に特例が設けられ、調整が行われます。
【ポイント】
自治体が実施する物価高対策や、職員の賃上げによる支出増を国が適切にバックアップするためのテクニカルな修正です。これにより、各自治体の実情に合わせた、より精緻な予算配分が可能になります。
令和7年12月の地方交付税「交付額の特例」
令和7年12月中に、自治体に対して通常よりも上乗せされた地方交付税が交付されることが決定しました。
【根拠法令】
総務省令第114号(令和七年度分の地方交付税の交付額の特例に関する省令)
【変更点】
通常、12月に交付されるべき額に対し、「令和7年度の総交付額から、既に交付済みの額を差し引いた残額のすべて」を加算して交付します。
【ポイント】
通常であれば年度末にかけて分割交付されるものを、12月に前倒し、あるいは一括して整理・交付する措置です。これにより、自治体は年度末の事業執行や資金繰りを円滑に進めることが可能になります。

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