令和8年(2026年)に向けた大きな制度変更の準備が目立ちました。裁判のデジタル化、在留カードとマイナンバーカードの一体化など、社会のデジタル化や効率化を目指す法律の施行日が具体的に決まり、準備が本格化しています。また、化学物質規制や公海の環境保護など、環境問題への対応も着実に進められています。
裁判手続きのデジタル化、令和8年5月から本格スタート
裁判所での手続きをインターネットを使って行えるようにする「民事訴訟法」の改正について、その本格的なスタート日(施行日)が決定しました。 これまで紙の書類を裁判所に持参したり郵送したりする必要がありましたが、今後はオンラインでの提出や、Web会議を使った口頭弁論などが拡大します。これにより、裁判がより早く、利用しやすくなることが期待されています。
【根拠法令】
民事訴訟法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(政令第414号)
【決定した内容】
施行期日: 令和8年(2026年)5月21日
有害な化学物質「PFHxS」の製造・輸入が原則禁止になります
環境や人の健康に悪影響を与える恐れがある化学物質として、「PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)」とその関連物質が、法律上の「第一種特定化学物質」に指定されました。 これにより、この物質の製造や輸入が原則として禁止され、これを使用した製品(はっ水加工された生地や服、金属加工用のエッチング剤、消火器など)の輸入もできなくなります。PFHxSは分解されにくく環境中に長く残るため、世界的に規制が進んでいます。
【根拠法令】
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律施行令の一部を改正する政令(政令第416号)
【変更点】
追加された物質: ペルフルオロ(ヘキサン-1-スルホン酸)関連物質
輸入禁止となる製品:
はっ水性能又ははつ油性能を与えるための処理をした生地、衣服、床敷物金属加工用・半導体
- 造用のエッチング剤
- 半導体用反射防止剤、レジスト
- 消火器、消火器用消火薬剤、泡消火薬剤
在留カードとマイナンバーカードが一体化へ。改正入管法の施行日が決定
外国人が日本に住むために必要な「在留カード」と、日本の公的な身分証である「マイナンバーカード」を一体化させるための法律(改正入管法)の施行日が、令和8年6月14日に決まりました。 これに合わせて、一体化された新しいカード(特定在留カード)の発行手数料などが定められました。これにより、外国人の利便性向上や行政手続きの効率化が期待されます。
【根拠法令】
出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(政令第422号) 出入国管理及び難民認定法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令(政令第423号)
【決定した内容】
施行期日: 令和8年(2026年)6月14日
手数料: 特定在留カードの交付手数料は1,900円(通常)などに設定されました。
「子ども・子育て支援金」の導入に向け、保険料のルールが変わります
少子化対策の財源を確保するために新設される「子ども・子育て支援金」。これは私たちが普段払っている医療保険や介護保険の保険料と一緒に集められることになっています。 今回の改正では、健康保険組合や協会けんぽなどが、この支援金を国に納めるために必要な準備金を積み立てる計算ルールや、介護保険料率を計算する際のルールなどが整備されました。
【根拠法令】
介護保険法施行令の一部を改正する政令(政令第420号) 健康保険法施行令及び船員保険法施行令の一部を改正する政令(政令第421号) 健康保険法施行規則等の一部を改正する省令(厚生労働省令第122号)
【変更点】
- 健康保険・船員保険: 準備金の積立額を計算する際に、「子ども・子育て支援納付金」の納付に必要な費用を考慮するように変更されました。
- 介護保険: 令和8年度の保険料率を計算する際、地方税の給与所得控除の見直しに伴う調整(特例)などが設けられました。
どこの国のものでもない海「公海」を守る国際ルールが公布されました
どこの国の管轄にも属さない海(公海)や深海底の生物多様性を守り、持続可能な形で利用するための新しい国際協定(BBNJ協定)の内容が官報に掲載されました。 この協定では、公海に保護区を作ったり、海の生物の遺伝資源(薬の材料などになる可能性があるもの)から得られる利益を公平に分け合ったりするルールが定められています。
【根拠法令】
海洋法に関する国際連合条約に基づくいずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定(条約第13号)
その他の変更
森林管理:
市町村が森林の所有者に代わって登記の手続きをしやすくする「森林経営管理法」の特例政令が制定されました。(政令第415号)
デジタル社会:
デジタル社会形成基本法の一部改正法の施行日が令和8年5月21日に決定しました。(政令第419号)
パスポート:
海外の大使館などでパスポートを作る際の手数料(現地通貨建て)の額が改正されました。(外務省令第16号)

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