【本日の要約】 本日の官報では、令和8年2月2日施行の「不動産登記規則等」の改正が大きな焦点となっています。特に「相続登記の申請義務化」に関連し、登記官が職権等で取得できる情報の範囲や、所有不動産記録証明書の様式が新たに定められました。また、マンションの老朽化対策として、マンション再生円滑化法に基づき、外壁の剥離や配管設備の劣化を判定する具体的な技術基準が告示されています。さらに、海外美術品の差し押さえ禁止指定や、不明著作者の著作物利用に係る裁定など、実務に直結する告示が多数掲載されています。
[1] 不動産登記規則等の一部を改正する省令
【概要】
不動産登記法の一部改正に伴い、相続登記の申請義務化を円滑に進めるための詳細規則が整備されました。主な内容は、登記官による公的情報の取得方法の規定、および「所有不動産記録証明書」の交付請求に関する様式や手数料の納付方法の画定です。
【根拠法令・ソース】
官報2ページ(法務省令 第5号)
【変更点】
・所有不動産記録証明書の様式新設: 別記第12号の2および第12号の3として、本人の所有不動産一覧を出力するための標準様式が追加されました 。
・登記官による情報取得の特例: 相続人が登記を申請する際、登記官が他の公務員に対し、職務上作成された戸籍等の情報提供を求めることができる手続きが具体化されました 。
・手数料の納付: 交付請求における手数料の納付は、収入印紙を提出する方法、または電子情報処理組織を使用して納付する方法により行うことが明記されました 。
【生活への影響・ポイント】
相続登記の申請義務化に対し、自身が把握していない所有不動産を漏れなく特定するための「所有不動産記録証明書」の運用が本格化します。これにより、相続漏れによる罰則リスクを回避しやすくなります。
[2] マンションの再生等の円滑化に関する法律に基づく基準の告示
【概要】
老朽化マンションの除却や再生を促進するため、外壁の剥離による危険性や、給排水設備の著しい劣化を客観的に判定するための技術的な基準が定められました。
【根拠法令・ソース】
官報13ページ(国土交通省告示 第110号)
【変更点】
・外壁剥離の判定基準: 一級建築士等による調査に基づき、ハの表1に定める「調査箇所数に応じた判定式」および「判定値」を満たす必要があることが示されました 。
・配管劣化の判定: 給水・排水設備において、腐食による漏水や、有害な物質が水に混入するおそれがあるなど、衛生上の障害が生じている状態を具体的に定義しました 。
【生活への影響・ポイント】
管理不全に陥った老朽化マンションにおいて、行政が建替えや除却の必要性を判断する法的根拠がより明確になりました。住民にとっては、大規模修繕や建替えの議論を行う際の客観的な指標となります。
[3] 海外の美術品等の強制執行禁止の指定
【概要】
「海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律」に基づき、国内の美術館で開催される展示品について、差し押さえ等の強制執行を禁止する指定がなされました。
【根拠法令・ソース】
官報16ページ(文部科学省告示 第8号)
【変更点】
・対象展示: あべのハルカス美術館、福岡市美術館、長野県立美術館等で開催される「エジプト遺物」関連の展示品(レリーフ、像、護符等)が指定されました 。
・有効期間: 指定の日から令和8年9月13日まで(施設により異なる) 。
【生活への影響・ポイント】
海外の貴重な文化財が国内で安心して展示されるための法的保護措置です。これにより、世界的に貴重な美術品の公開が円滑に行われます。
[4] 著作権法に基づく裁定及び補償金額の告示
【概要】
著作者が不明、または連絡が取れない著作物を公衆送信等で利用するために、文化庁長官が利用を認め(裁定)、その対価としての補償金額を決定しました。
【根拠法令・ソース】
官報23ページ(文化庁告示 第1号)
【変更点】
・利用例: 大学入試過去問題集への収録(慶應義塾大学、京都大学等)、テレビ番組素材の放送、電子書籍化などについて、各著作物に対する補償金額(例:1,100円〜177,814円)が決定されました 。
・算定基準: 製作部数、本体価格、使用料率に基づき、細かく算出されています 。
【生活への影響・ポイント】
出版物や放送において、権利者が判明しない場合でも、法的手続きを経て正当に著作物を利用できる仕組みの運用状況が示されています。権利者候補は、告示を確認することで補償金の受領を求めることができます。

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