令和7年12月19日 官報第277号(号外)の解説

ストーカー規制や森林管理といった私たちの安全や環境を守るための具体的なルール変更が目立ちました。特にGPSタグを用いた追跡行為の厳罰化は、近年の社会問題に対応した重要な改正です。また、多額の予算がどのような項目に使われているのかを示す告示からは、国の施策の広がりを垣間見ることができます。今後も社会のルールの変化を丁寧にお伝えしていきます。


ストーカー規制法及びDV防止法の強化GPS等を用いた位置情報取得への対応

ストーカー行為や配偶者からの暴力(DV)の規制を強化するため、位置特定用識別情報送信装置(GPSタグ等)を相手方の所持品や自動車に取り付けたり、差し入れたりする行為を具体的に規制対象とする改正が行われました。 

【根拠法令】

官報2ページ、政令第424号(ストーカー行為等の規制等に関する法律施行令の一部を改正する政令)および政令第425号(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律施行令の一部を改正する政令) 

【変更点】

規制対象となる行為の追加:

  1. 特定の者等の所持する物に位置特定用識別情報送信装置を差し入れること 
  2. 位置特定用識別情報送信装置を差し入れた物を交付すること 
  3. 特定の者等の移動の用に供される、または現に供されている自動車等に当該装置を取り付け、または差し入れること 

名称の変更: 

「位置情報記録・送信装置」から「位置情報記録・送信装置等」に定義が拡大されました。 

【ポイント】

これまでは解釈が分かれることもあった「GPSタグをカバンに忍ばせる」「車に磁石で貼り付ける」といった行為が、明確に禁止行為として明文化されました。改正法の施行日にあわせて運用が開始されます。 


沖縄県における揮発油税等の軽減税率の延長

沖縄の復帰に伴う特別措置として、沖縄県内で製造・引取されるガソリン(揮発油)に係る税率の軽減措置が継続されます。 

【根拠法令】

官報2ページ、政令第426号(沖縄の復帰に伴う国税関係法令の適用の特別措置等に関する政令の一部を改正する政令) 

【変更点】

令和7年12月31日から令和9年5月14日までの期間における税率を以下の通り設定します。 

  • 揮発油税: 21,080円/キロリットル 
  • 地方揮発油税: 3,817円/キロリットル 
  • その他、関連する省令(財務省令第72号)により、不要となった規定の削除が行われました。 

【ポイント】

沖縄の経済状況を考慮した特例措置が令和9年まで維持されることになります。 


保険業法および確定拠出年金法の改正に伴う施行日の決定

保険業の合理化や、確定拠出年金制度の機能強化を目的とした改正法の施行日が定められました。 

【根拠法令】

官報2ページ、政令第428号、第429号、第430号、第431号 

【変更点】

保険業法: 

令和8年6月1日施行。保険仲立人の最低保証金の額が引き下げられます。 

確定拠出年金法:

令和8年4月1日施行。企業型年金において、事業主掛金が引き下げられた際に、加入者掛金(マッチング拠出)が事業主分を超えないよう自動的に引き下げる場合、変更回数制限の例外から削除する等の調整が行われます。 

不当景品類及び不当表示防止法: 

一部の規定について、令和8年5月15日を施行日とします。 

【ポイント】

金融・年金制度の利便性向上や、企業の事務手続きの適正化が進められます。 


森林経営管理制度の運用詳細の整備

適切な森林管理を推進するため、所有者不明の森林の集約化や、森林組合の業務範囲に関する詳細な手続きが定められました。 

【根拠法令】

官報11ページ、農林水産省令第55号(森林経営管理法及び森林法の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令の整備等に関する省令) 

【変更点】

所有者不明森林の調査: 

市町村が毎年1回以上、登記簿や公募を定期的に確認し、所有者の特定に努めることが義務付けられました。 

森林所有者情報の提供: 

森林所有者の氏名や住所のほか、共有者の持分などの情報提供を求める際の具体的な書面様式や手順が新設されました。 

森林組合の特例: 

経営管理支援法人に指定された法人が、森林組合の事業を利用できる範囲などが明確化されました。 

【ポイント】

山林の荒廃を防ぐため、所有者が分からない森林を市町村が主導して管理しやすくする仕組みが整えられました。 


財務大臣の承認を要する令和7年度予算経費の改定(別表全網羅)

財政法に基づき、令和7年度予算の支出において財務大臣の承認が必要な具体的項目(事業名等)が更新されました。 

【根拠法令】

官報19ページ、財務省告示第332号 

【項目一覧(告示別表に掲げられた各省庁の経費項目)】

内閣府: 

アイヌ政策推進交付金、新しい地方経済・生活環境創生交付金、地方創生地域産業基盤整備事業推進費、地方創生基盤整備事業推進費、沖縄振興交付金事業推進費、沖縄振興特定事業推進費、沖縄北部連携促進特別振興事業費補助金、沖縄教育振興事業費、沖縄開発事業費、沖縄北部連携促進特別振興対策特定開発事業推進費、地方創生推進費。 

こども家庭庁: 

児童福祉施設等災害復旧費補助金、就学前教育・保育施設整備交付金、次世代育成支援対策施設整備交付金。 

総務省: 

放送ネットワーク整備支援事業費補助金、無線システム普及支援事業費等補助金、消防防災施設整備費補助金。 

外務省: 

安全保障能力強化等援助費、政府開発援助経済開発等援助費。 

文部科学省: 

国立大学改革・研究基盤強化推進補助金、私立学校建物其他災害復旧費補助金、私立大学等経常費補助金、私立高等学校等経常費助成費補助金、私立学校施設整備費補助金、私立大学等研究推進費補助金、国立大学法人施設整備費、部活動地域移行促進公立学校施設整備費補助金、公立諸学校建物其他災害復旧費補助金、公立社会教育施設災害復旧費補助金、公立学校施設整備費負担金、公立諸学校建物其他災害復旧費負担金、学校施設環境改善交付金。 

スポーツ庁: 

私立学校振興費。 

文化庁: 

国宝重要文化財等保存・活用事業費補助金、国宝重要文化財等防災施設整備費補助金、史跡等購入費補助金。 

厚生労働省: 

医療施設等施設整備費補助金、医療施設等災害復旧費補助金、介護提供体制改革推進交付金、医療提供体制施設整備交付金、地方改善施設整備費補助金、社会福祉施設等施設整備費補助金、社会福祉施設等災害復旧費補助金、心神喪失者等医療観察法指定入院医療機関施設整備費負担金、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金、国立ハンセン病療養所施設整備費。 

農林水産省: 

新市場創出対策整備費補助金、農林水産物・食品輸出促進対策整備交付金、食料安全保障確立対策整備交付金、担い手育成・確保等対策地方公共団体整備費補助金、集積・集約化等対策整備交付金、新基本計画実装・農業構造転換支援地方公共団体整備費補助金、国産農産物生産基盤強化等対策整備交付金、牛肉等関税財源国産畜産物生産基盤強化等対策整備交付金、農業・食品産業強化対策整備交付金、農林水産業環境政策推進整備交付金、農業農村整備事業費、農山漁村活性化対策整備交付金、農山漁村情報通信環境整備交付金、農山漁村地域整備事業費、農業施設災害復旧事業費、農業施設災害関連事業費、治山事業費、森林環境保全整備事業費、水源林造成事業費補助、美しい森林づくり基盤整備交付金、森林整備・林業等振興整備交付金、山林施設災害復旧事業費、山林施設災害関連事業費、水産業振興対策地方公共団体整備費補助金、漁村活性化対策地方公共団体整備費補助金、水産業強化対策整備交付金、水産基盤整備費、漁港施設災害復旧事業費、漁港施設災害関連事業費。 

経済産業省: 

工業用水道事業費、休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金。 

国土交通省: 

住宅建設事業調査費、道路環境改善事業費、水資源開発事業費、国営公園等事業費、都市水環境整備事業費、上下水道一体効率化・基盤強化推進事業費、水道施設整備費、下水道事業費、市街地防災事業費、住宅防災事業費、都市公園防災事業費、下水道防災事業費、河川整備事業費、多目的ダム建設事業費、総合流域防災事業費、砂防事業費、防災・減災対策等強化事業推進費、海岸事業費、鉄道安全対策事業費、道路交通安全対策事業費、港湾事業費、地域連携道路事業費、営繕宿舎費、地域連携道路事業費補助、高速道路連結部整備事業費補助、高速道路自動車駐車場整備事業費補助、道路調査費補助、特定連絡道路工事資金貸付金、整備新幹線建設推進高度化等事業費、整備新幹線整備事業費、港湾環境整備事業費、都市開発事業調査費、都市構造再編集中支援事業費補助、市街地再開発事業費補助、都市再生推進事業費補助、都市開発資金貸付金、鉄道網整備事業費、都市・地域交通整備事業費、道路交通円滑化事業費、社会資本整備円滑化地籍整備事業費、社会資本総合整備事業費、官民連携基盤整備推進調査費、小笠原諸島振興開発事業費補助、離島振興事業費、北海道開発事業費、北海道特定特別総合開発事業推進費、官庁営繕施設整備費、河川等災害復旧事業費、住宅施設災害復旧事業費、鉄道施設災害復旧事業費、河川等災害関連事業費。 

海上保安庁: 

船舶交通安全基盤整備事業費、船舶交通安全基盤災害復旧事業費。 

環境省: 

廃棄物処理施設整備交付金、廃棄物処理施設整備費、環境保全施設整備費、環境保全施設整備交付金、自然公園等事業費、自然公園等施設災害復旧事業費、廃棄物処理施設災害復旧事業費。 

防衛省: 

装備品取得等業務効率化推進庁費、公務員宿舎施設費、提供施設等整備費、不動産購入費、障害防止対策事業費補助金、教育施設等騒音防止対策事業費補助金、施設周辺整備助成補助金、道路改修等事業費補助金、施設周辺整備統合事業費補助金、再編推進事業費補助金、特定防衛施設周辺整備調整交付金、移転等補償金、施設運営等関連補償費、防衛力基盤強化施設整備費、武器購入費、通信機器購入費、車両購入費、火薬購入費、諸器材購入費、艦船修理費、艦艇建造費、支援船建造費、航空機整備費、提供施設移設整備費、合衆国軍隊特別協定訓練資機材調達費支出金。 

防衛装備庁: 

試作品費、装備品安定製造等確保事業費、防衛技術研究開発委託費、防衛イノベーション科学技術実証型研究委託費、防衛技術研究開発補助金。 

【ポイント】

多岐にわたる公共事業や補助金の執行において、国の支出が適正に行われるよう厳格なチェック体制が維持されています。 


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